建売住宅を購入するか、好きな土地を購入して注文住宅を建てるか悩む方は多いのではないでしょうか?
我が家は、悩むまでもなく、お金に余裕のある方が選択するイメージの強かった注文住宅は到底不可能と思っていました。
当然、不動産業者にも建売しか無理と言われると思っていたのですが、意外にも注文住宅を勧められたので、その理由を整理してみます。
建売住宅は驚くほど安く価格に見合った土地の価値がない
2012年当時の話ではありますが、我が家に注文住宅を勧めてくれた仲介業者からは、
- 建売住宅は500万円程度で上モノを建てて3000万円で売っていたりする。
- 3000万円から建物価格500万円を引いた2500万円が、土地の価値にはならない。せいぜい、1000〜1500万円が土地の価値で後は建売業者の利益。
ということを知っておいた方がよいということを言われました。
実際に、500万円で建物を建てるという業者向けのチラシを見せてもらったのですが、このあたりが近い内容だと思います。
引用: 低価格企画住宅『クレイドルパレット 580』・『クレイドルパレット 780』 販売開始に関するお知らせ
こちらだと、580万円で17.33坪、780万円でも25.72坪なので、に30坪程度の延床面積で売っている建売住宅だと、さすがに500万円は厳しそうに思います。
しかし、他の不動産会社でも同じくパワービルダーでは500万円で建てていると聞いたので、同時に数棟建てるなど、スケールメリットでもっと安く広く建てられる方法があったのかもしれません。
一方、当時で注文住宅だと1500万円は必要と言われていましたので、そこまで建物の価格に差が出るのだと驚きました。
建売住宅は品質問題やトラブルが多い
建売住宅の建物が安い理由は、仕様を統一したり同時に施工を行うことなどによる合理化が大きいと思います。
確かに一気に造成工事をしていたり、同時に上棟している様子などを見ると、一軒のために重機や職人さんを集めるよりも効率は良いのだろうと感じました。
さらに、賃金の安い外国人労働者を使って工事をしていることで、施工が雑で、トラブルが多いという説明もありました。
外国人だから雑と決めつけるのは偏見で良くないとは思いますが、文化的な感覚含めて教育が難しいのだろうということは想像が付きます。
また、建売住宅の現場監督が一人で受け持つ現場が多すぎるため、品質管理が行き届かないということも要因だという意見も、その後調べていてわかってきました。
これは、大手のローコスト注文住宅でも似たような問題があるようですが、我が家を建ててくれた工務店のアコルデでは、現場監督も大工さんもしっかりしていたおかげでノートラブルだったので、確かに重要なポイントだと思います。
自分の家を建てるまでは関心がなかったのですが、建てた後に建売住宅の現場を注意深く観察すると、明らかに品質の差を感じる様子を見かけたことがありました。
建売会社でも、綺麗な現場ももちろんありますが、会社によっては品質に心配があることを注意しておく必要がありますね。
好条件の建売物件は他の利益も肩代わりしている?
注文住宅のほうが良いと勧められたものの、一方で注文住宅を建てられるような土地物件は、ほとんど選択肢がなく、かなり途方に暮れました。
当時聞いたところ、建売住宅の中でも、前述のような超低価格で建てられるパワービルダーと呼ばれる業者が、高値で土地を買ってしまうため、一般の個人どころか地元の不動産会社でも土地が手に入りにくいとのことでした。
地元企業が落札できれば、土地で分譲してもらえる可能性があったのですが、パワービルダーが落札してしまい、ダメだったこともあります。
パワービルダーは建物が安いので、土地を高く買っても十分利益が出る価格で売り出せるようです。
となると、やはり建売分譲から選ぶしかないのかと諦めそうになるのですが、安いとはいえ建売分譲価格も南向きや角地など、好条件の人気物件は、かなり強気価格になっている場合が多いです。
売れ残った物件は、同じ分譲地でも300〜500万円ぐらい安くなって投げ売りされている場合もあるので、一体家の価格っていくらなのかと不思議に思ったことがあります。
実は、建売住宅は最後の投げ売りで赤字になっても、一番人気の物件で利益が出ていればOKという考え方もあるそうです。
こんなイメージでしょうか?
赤線部分が平均と考えると、1号〜3号棟でたとえば、4号棟と5号棟の赤字をカバーできていればOKということですね。
確かに、このような売出し価格分布になっていることを見たことがあります。
このように見ると、一番人気の1号棟が好条件だとしても、かなり割高な買い物になると言えるかもしれませんね。
とはいえ、建売住宅だからこそ得られる立地条件や環境もあるので、このような損得勘定を考えても仕方がないのですが…
我が家に注文住宅を勧めてくれた不動産業者さんは、一応このような建売住宅の背景をしっかり理解して、後悔のない物件選びをするようにと伝えてくれたのだと思っています。
コメント