我が家は、返済中の住宅ローンの残債がありながら、新たに住宅ローンを組んで注文住宅を建てることができました。
一軒目の住宅ローンは、10年間住んだ奈良から関東へ家族の移住を伴う転職のため、奈良に残して来た建売住宅を新築で購入したときのものです。
移住の際に、残債を相殺できる価格が付かないと判断し、泣く泣く賃貸に出したのですが、家賃収入よりもローン返済のほうが、年間35万円も上回るという苦しいキャッシュフローでした。
神奈川では、奈良の家よりも広く、南向きで約30坪の借り家で5年間快適に暮らしていたつもりだったのですが、妻にとっては借り家というのが、とても不安だったようです。
とはいえ、多額の住宅ローンの残債が残っている状態で、更に家を購入するということは、もちろん、贅沢品の極みのイメージのある注文住宅を建てることなど、全く想像に及びませんでした。
また、調べてみると「原則として2軒目の住宅購入には住宅ローンは使えない」と大抵書かれています。
そのような我が家が、どんな条件で2軒目の住宅ローンを組むことが出来たのかをご紹介します。
一軒目の残債と当時の条件
当時の残債の支払い状況と、家賃負担は次のとおりです。
家賃負担が年間126万円もあったので、この範囲の中で二軒目の住宅ローンが組めるのであれば、払えるだろうという考えで銀行を回りました。
- 一軒目の住宅ローン残債は約1600万円(残り14年)
- 年間約123万の支払(変動金利1.075%)
- 年間88万の家賃収入
- 借家の家賃10.5万円/月(年間126万円)。
銀行ごとの回答と条件の違い
当初は、直接銀行を訪問して相談しましたが、銀行によって次のように、ばらつきがありました。
当初相談(直接) | 正式申し込み | |
三菱UFJ信託銀行 | 門前払いで無回答 | – |
旧中央三井信託銀行 | 最大2300万円 | – |
横浜銀行 | 最大2500万円 残債を600万円減らせば、 最大4000万円まで融資可能 | 一軒目の残債は減らさず、 3200万円融資可回答 (物件価格95%上限) 3040万円で契約 |
三菱UFJ銀行 | 最大5000万円 | 3300万円融資可回答 |
当初、自ら相談した際は、融資の条件が厳しく、一軒目の残債を減らせば融資額が増やせるという説明もありました。
唯一、最大5000万円もの高額な回答があったのが、三菱UFJ銀行です。
ここでは、賃貸中の奈良の家の不動産収入の確定申告を見た結果、事業と判断することが出来たため、純粋に年収から判断してもらえたという結果です。
この融資条件であれば、ローコスト住宅に限定しなくても、予算をアップすることも可能だったといえます。
しかし、二軒の住宅ローンを組む重圧は大きく、月々の家賃負担を超えない範囲にすると決めた条件に照らし合わせると、3000万円程度が借り入れする条件と考えていました。
結果的には、金利優遇条件の良かった横浜銀行と契約したのですが、最終的には一軒目の融資は減らさずに、3040万円の融資を受けることが出来ました。
物件価格の95%が上限だったので、この融資額になりましたが、もう少し物件価格が上がったら、さらに融資してもらえたのかもしれません。
この時、痛感したのが、横浜銀行の対応が、当初自分で相談したときよりも良くなったことです。
正式申込み時は、物件が具体的に明確だったことと、相談事よりも年収が少しアップしていたこともありますが、不動産会社経由で依頼したのも理由ではないかと思います。
不動産会社や工務店などで、銀行とのパイプがある場合は、直接の交渉よりも良い条件を出してもらえる可能性は、確かにあるのではと感じました。
その他、次の銀行で二軒目の住宅ローンを融資してくれるという情報がありましたので、「原則として2軒目の住宅購入には住宅ローンは使えない」と言われている割に、対応している銀行の選択肢は、意外とあるようです。
静岡銀行 | 実際に申し込み、融資可能回答あり |
みずほ銀行 | 二軒目でも融資してくれるとの工務店情報あり |
りそな銀行 | 二軒目でも融資してくれるとの不動産会社情報あり |
二軒目の住宅ローンの融資のポイント
我が家は、幸い二軒目の住宅ローン融資を受けられましたが、もし同様のチャレンジをされる場合は、次のようなポイントを理解しておかれることをお勧めします。
- 一軒目の残債を通常より高い金利で想定して、支払い能力を計算するため、融資上限が厳しい判断となる。我が家の場合、当時でも変動金利で1%を切る金利でしたが、一軒目の残債を6%で計算すると聞かされたのが横浜銀行です。
- 返済中の住宅ローンの物件で賃貸収入を得ている場合、確定申告の提出が必要。
- 不動産事業が赤字の場合、給与収入と相殺され融資可能額が減る評価となる可能性があります。節税を意識した決算をしている場合は注意が必要。
- 自己資金を入れることを前提の融資となる場合があるが、一軒目の残債を減らした方が有利な可能性がある(融資上限アップや、二軒目の融資の方が金利が低い等)。
- ネット銀行の二軒目の融資可能性は不明。Web申し込みフォームが二軒目を考慮した入力方法になっていない。ただし、入力方法を工夫することで、借り換えでは、融資可能と回答があった実績あり
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